*この記事には少しネタバレが含まれています。気になる方はご注意ください。
65歳のおばあちゃんが映画製作に挑戦するストーリーが話題のまんが「海が走るエンドロール」を読みました。
シルバーになって夢に挑戦する主人公って、
かなり思い切った設定ですね。
「海が走るエンドロール」は、65歳のうみ子が、映画館で出会った海という青年の言葉がきっかけで美大に入学し、映画製作を目指すというストーリー。
人生の後期になって、本当の自分に覚醒しようとするうみ子の話が超面白かったので、
さっそくレビューしていきたいと思います。
「海が走るエンドロール」
1巻のあらすじと登場人物
あらすじ
65歳で夫に先立たれたうみ子は、何気なしに入った映画館で海という美大生に出会う。
海から言われた言葉がきっかけで、
自分は「映画が撮りたい側の人間」だと気づく。
うみ子は海の通う美大へ入学し、
映画製作の道へ進みだす…
1巻の主な登場人物
■ 茅野うみ子 … 夫と死別しひとりで暮らす65歳の女性。本編の主人公。
■ 濱内海(かい) … 映画製作を学ぶために美大通うミステリアスな雰囲気をもった青年。
「海が走るエンドロール」1巻の感想
*少しネタバレが含まれています。気になる方はご注意ください。
「海が走るエンドロール」はこんなお話
「海が走るエンドロール」は、美大に入学したうみ子が、海や若い学生たちとの交流を通して、
自分の映画を作ろうとするお話。
おばあちゃんのキャンパスライフって
ちょっと興味わくけど、年齢的なハンデもあって、
65歳で壁にブチ当たるうみ子の心理描写がお見事。
やりたい事をやるにも、
やっぱりいろんな葛藤や苦労がありますよね。
うみ子を映画の道へいざなった海にも、
内面に抱えてるものがたくさんあって、
うみ子と関わるうちに、それがでてきたり、
だんだんと癒されてたり。
ミステリアスなイケメンだけど、どこか神秘的なキャラで魅力的。
ふたりの青春映画のような、恋愛ドラマのような不思議な関係性が面白いです。
おばあちゃんと孫でもあるかな。
おっさんにも響くストーリー
映画館で知り合った海がうみ子が海にはなった一言、
映画を作りたい側の人間じゃないの?
これ、めちゃくちゃカッコよくないですか?
正直このセリフ言われてみたいとか、バカなこと思いました。
お世辞とか社交辞令が嫌いそうな海から出てきた、うみ子内面をえぐるような直球。
だからこそ響くんでしょうね。
うみ子のゾクゾクする感情を、押し寄せる波で表現するのがウマすぎる!
おっかなびっくりキャンパスライフ送るうみ子に、妙に共感できました。
ピチピチな学生に囲まれて、
若さがないことを自虐にしてしまうのは、
おっさんよくわかる。
しかし、大海原へ舟をこぎだしたうみ子はとまらない。
最後に
海がたくさんでてくるだけに、人生を航海に例えるところが映画っぽくて好き。
読んでるとこちらも何かやりたくなるような、
背中をけられてるようなゾクゾクする感覚。
何かを始めるのに年齢なんて関係ないですよね?
宮崎駿監督も82歳で映画作ったし。
とはいえ、年齢的にも体力的にも制限のあるうみ子が、どんな作品を作り上げるのか非常に気になる。
「海が走るエンドロール」作品情報
著者や出版社など
著者 :たらちねジョン
代表作:「グッドナイト、アイラブユー」
「アザミの城の魔女」
「セックス・エデュケーション」
出版社 : 秋田書店
「海が走るエンドロール」の受賞歴:
「このマンガがすごい!2022」オンナ編第1位
「マンガ大賞2022」第9位
「このマンガがすごい!2023」オンナ編 第6位
「海が走るエンドロール」はどこで連載している?完結はしてるの?
秋田書店の「月刊ミステリーボニータ」にて好評連載中で、完結はしていません。
(2024年3月時点)。
単行本は何巻まで発売してる?
「海が走るエンドロール」単行本は、
現在6巻まで発売中です。
(2024年3月時点)。
「海が走るエンドロール」感想まとめ
おばあちゃんが主人公の漫画に自分がのめりこめるか疑問だったけど、そのマイナスイメージの波が完全に引いてしまうほど面白かったです。
うみ子はこれからどんな映画を作るのか?
はやく知りたい…
うみ子と海の親子のような、恋人のような、友達のような、何とも言えない二人の関係性の行方も気になります。
未知なる海原に舟を漕ぎ出したうみ子と海の物語がどうなるのか、これからもすっごく楽しみ。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございます。
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